5月23日北東の強風の中で鰤
北東から東の風が、強く吹いてくる予報になっている。

「今日は、表は無理でしょうね」

「風が吹いてくるまでの勝負かな」

風に対する不安な気持ちを持って、船着き場を離れた。

一度、沖合を覗いてみたいと、大島の北側から出るつもりで、船を進めた。

「ウネリがありますね」

塩田さん、蔵屋さんと波の様子を見て、沖に出るのは諦めた。

「内場に行きましょう」

大島の内場に、船首を向ける。

昨日と同じで、朝間詰めには既に、北東の風が吹いている。

潮行きも変わらず、下り潮。

しかし、ベイト反応は、増えているように感じる。

「やってみましょうか」

塩田さん、蔵屋さんが直ぐに竿を出していく。

下り潮が、速い流れになっているようだ。

「軽い仕掛けでは、着底が取れませんね」

と、重い仕掛けに変更していく。

上潮の流れが、北東の風と同調して、1.6ノット前後で流されていく。

仕掛けを徐々に重くして、速い流れに対応していく。

塩田さんに、アタリが来た。

ヒットと同時に、ドラッグ音が鳴り、ラインが引き出される。

「少し、船で間を詰められますか」

塩田さんの依頼に、船を動かして間を詰める。

獲物が、真下に突っ込みだした。

ゆっくりと、巻き上げる。

逆光で海面が光って、海中が見えにくい。

「見えました。鰤ですね」

無事に、タモに治まったのは、86センチ、6キロ超の綺麗な鰤。

「嬉しいです。今日は、鰤丼ですね」

笑顔の塩田さんと、祝福の握手。

ベイト反応の多い処を、攻めていく。

蔵屋さんに、アタリが来た。

「鯵だと思います」

ゆっくりと、巻き上げていく。

良型の真鯵が、上がってきた。

塩田さんにも、真鯵がヒットしてきた。

これも、40センチ近い、良型の真鯵だ。

この頃から、北東の風が強さを増してきた。

そんな中、蔵屋さんに重量感タップリのアタリが来た。

「重たいです」

「ゆっくり上げましょう」

タモを準備して、獲物が浮いてくるのを待つが…。

急に竿先が、元に戻った。

「外れた…」

「えっ…外れた…」

ガッカリしていると、船から離れたところに大きなハタが浮いてきた。

「あそこに浮いた!」

離れて見た目に、3キロ~4キロ位は有りそうに見える。

直ぐに、船を走らせて回収に掛かるが…。

船を近づけると、ハタの姿が見えなくなった。

船の周りを探して回ったが、何処にも姿が見えない。

「浮き袋が戻って、潜って逃げたかな…」

何処を探しても、海面にはハタの姿が見あたらなくなっていた。

これが一番の、悔しい出来事になった。

この後は、強さを増してきた北東の風を避けて、帰港した。

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