開進丸
１月１２日風が吹き出す前に
「午前中は釣りが出来ると良いけど」
「北西の風が、昼からは吹き出すでしょうね」
今日も、風の心配からスタートした。
海上では、朝の内は風が余り吹いていない。
「この風が凪いでいる内に、何とかして釣果を上げましょう」
潮は、緩い下り潮。
やや沖に払い出しながら、０．６ノット前後で流れている。
時折、ベイト柱が出てくる。
ベイト柱が出てくると、今日の釣果を期待させる。
加藤さんに、アタリが来た。
ワニゴチが上がってきた。
甘鯛を期待していた所もあったが、これも美味しい魚だ。
ポイントを移動しながら、探っていく。
東原さんにアタリが来た。
白甘鯛が上がってきた。
「良い魚が来ました」と、元気が出てくる。
加藤さんには、良型の真鰺がヒットしてきた。
船が流されるスピードが、少し早くなってきたように感じる。
下り潮が、動き出してきたのだろうかと、期待する。
東原さんに、強いアタリが来た。
「最初の走りは、青物みたいでした」
慌てることなく、ゆっくりと巻き上げていく。
２キロ超の真鯛が上がってきた。
雄の真鯛だ。
神経締めすると、体色が綺麗なピンク色に変わった。
東原さんに、続けてアタリが来た。
１．５キロクラスの白甘鯛。
良型の白甘鯛に、思わず笑顔が出る。
加藤さんにも、アタリが来た。
レンコダイが、連発してきた。
「今日は、レンコ祭りですね」と、加藤さんの言葉に笑いが広がる。
海底のベイトが、浮き上がって出始めた。
「何かが、追いかけているのかも知れない」
ポイントでは無いところに、ビックリするくらいのベイト反応が出てくる。
その中を流していく。
青物こそアタリが出ないが、真鯛、アヤメカサゴ、ガンゾウヒラメ等がヒットしてきた。
しかし、今日は天気予報が当たった。
昼過ぎに、急に風が北西の強風に変わった。
潟からの白波に、船が揺れる。
真正面からの風に、船を走らせると、波飛沫が上がる。
「これ以上は、無理ですね」
北西の風に押されて、波も高くなってきた。
「帰ります」
仲間に連絡して、港に向かった。
