12月12日手負いのブリ

強い風と、高いウネリを気にしながら、午後から船を出してみた。

「出てみて、風が強いようなら、無理は止めましょう」

海に出てみたら、予想していたよりも凪になっていた。

XさんとNさんも「思った程の時化ではないですね」が、沖に出てきての第一声になった。

潮の色も、上り潮の青々とした、良い色をしている。

午後からの出船と言うこともあって、日暮れも早く、時間が短い。

早め早めに、ポイント移動をしていく。

Xさんに、最初のアタリが来た。

「良い感じですね」

「多分、ニベだと思います」

3キロクラスの、ニベが上がってきた。

まずまずの出足だろう。

Nさんにも、アタリが来た。

強い引き、力強い走りから「ブリかも」と、想像するが…。

上がってきたのは、ハンマーシャークだった。

直ぐに針を外して、海に帰す。

釣り始めに1.2ノット前後で流れていた潮が、1ノットを切り、緩くなってきた。

Nさんにアタリが来た。

潮が動かないとき、良くヒットしてくる、アカヤガラが上がってきた。

「潮の動きが悪くなってきましたね」

大潮によく見られる、動かない潮に成り掛けている。

それでも、魚探にはベイト反応が出始めている。

Xさんに、強いアタリが来た。

ドラッグ音が鳴り、ラインが出ていく。

やり取りに、緊張感が出ている。

海中を覗いていると、銀白色に光る大きな魚が見える。

「何…この魚何…、タチウオだ」

幅の広い、大きなタチウオが見えてきた…が…。

大きなタモを用意して、待機している目の前で、針が外れた。

「今のタチウオは、上がっていたらドラゴンですよ。指10以上あったかも…」

魚が見えていただけに、悔やまれて仕方ない。

Nさんにも、強いアタリが来た。

竿先が海面に突き刺さるように、真下に走られている。

「慎重に、頑張って」

「あっ…」

針が切られていた。

「これも、歯のある魚ですね」

連続して、やられてしまった。

気分転換に、ポイントを移動する。

海底付近に、ベイト反応がある。

直ぐに、仕掛けを落としていく。

Xさんに、強いアタリが来た。

獲物が、走り回っている。

「何ですかね。えらい走り回っていますね」

やがて、その姿が見えてきた。

5キロクラスの、ブリが上がってきた。

「えっ…、腹に傷がある。下顎にも、頭にも何かに噛みつかれた痕がある」

「アラにやられたのかな」

「こんな手負いのブリは、初めてですね」

夕間詰めに、大物が動き始めているのかも知れないと、思った。

Nさんにも、アタリが来た。

上がってきたのは、サゴシだった。

夕間詰めのゴールデンタイムになってきたが、日暮れは釣瓶落とし。

このサゴシを最後に、帰港した。

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