12月4日その正体、分からず
今日の出足は、鈍かった。

ベイト反応は出ている。

その中を通っている筈なのだが、アタリが出ない。

北西の風も強く吹く中、釣果を求めてポイントを探る。

ポイントを移動して、日高さんにアタリが来た。

上がってきたのは、シーラ。

この時期に、シーラがヒットしてくる。

海水温が、暖かい状態なのだろう。

別のポイントを攻めている大磯先輩からも、シーラ情報は伝わってきた。

しかし、今日の風は、北風が強く吹き始めた。

北風が吹き始めると、あちらこちらで白波が立ち始めた。

狙いのポイントを、なかなか流すことが出来ない。

少しでも、北風が避けられそうなポイントに、移動する。

黒原さんにアタリが来た。

上がってきたのは、2キロクラスのニベ。

「今日のボーズは避けられました」と、笑顔になる。

黒原さんには、ニベが続けてヒットしてきた。

この後、日高さんに大アタリが来る。

今日のクライマックスだ。

いきなり、竿が引ったくられる様なアタリが来た。

腰を落として、その強い引きに耐える。

ここからが、50分近い大物との格闘の始まりだった。

海底をズンズンと、走る重量感が伝わってくる。

ラインは、PE4号。

「なかなか切られる事はないだろう」

慌てずに、じっくりと勝負する。

相手も船の下に入り込んだり、瀬周りに逃げ込んだりと重々しい走りが止まらない。

「どれくらい、戦っていますか」

「途中から、時計を見ているけど30分以上は追いかけているよ」

右に、左にと、向きを変えながら逃げる獲物を、船で追いかけて差を詰める。

なかなか海底から、浮き上がらせる事が出来ない、走りと重量感だ。

「今、水深60メートルを過ぎました」

「今、水深70メートル付近です」

「このままでは、相手ペースのままです。力勝負に出ます」

立て引きしながら、相手の顔を上に向けようと頑張る。

指ドラッグで、ラインを巻き上げていく。

何度目かの巻き上げで、少し浮き始めた相手が、走った。

「あっ…」

バシッと。鈍い音がしてラインが切れた。

瀬周りを走られたときに、傷が付いたのかも知れない。

日高さんの、50分近い格闘は、相手の勝ちに終わった。

「力足らずでした」

悔しそうな表情の日高さんと黒原さんだった。

気持ちを切り替えて、釣りを再開する。

黒原さんに、アタリが来た。

80センチ超のサワラが、上がってきた。

日高さんには、ニベがヒット。

ニベに食い付く大物を想像して、ポーズを決める。

船内に、笑いが広がった。

強く吹いていた北風が、穏やかになってきた。

船の流れも、0.3ノットとゆっくりに成ってきた。

ベイトの真上に船を止め、仕掛けを落とす。

ダブルヒット。

「やったダブルヒットだ」と、お二人が笑顔でやり取りが始まったが…。

ラインが切られてしまった。

「多分、サワラじゃなかったかな…」

「この悔しい気持ちは、次回リベンジします」

釣果に笑顔、切られて悔しい気持ちの交差した一日だった。

#九州 #宮崎 #ジギング #ニベ