12月3日やっぱり、気持ち良い

夜が明ける頃、港を出た。

「もし、風が強く吹いてきたら、無理せずに帰りましょうか」

東原さんと、帰る覚悟でポイントを目指す。

水平線に掛かる雲間から、お日様が顔を出した。

「今日は、よろしくお願いいたします」

柏手を打ち、釣果をお願いする。

朝日に手を合わせた時と、東原さんにアタリが来たのが同時だった。

「来ました。気持ち良く、ヒットしました」

ドラッグ音が鳴る。

取り逃がさないように、やや緩めにドラッグ調整してある様だ。

久し振りの釣果だけに、上がってくるまでは私の方がドキドキしている。

「見えました。真鯛です」

2キロクラスの真鯛が、上がってきた。

「久し振りの釣果だけに、良い口火が切れました」

私の方が笑顔になってくる。

続けてアタリが来た。

「今度は、青物みたいです」

東原さんの竿が、心地よい弧を描いている。

1.5キロクラスのカンパチが、上がってきた。

「真鯛、カンパチと話しの上の予定通りで、嬉しいですね」

東原さんの笑顔が嬉しい。

時化が続いただけに、ベイトの状態が気になっていた。

入ったポイントでは、居るはずと思ったところに反応はなかった。

潮が沖に払い出していた事も有り、潮のコースに沿ってベイト反応を探す。

思った通り、ベイトが固まっている処が出てきた。

其処を上手く通せれば、バイトが有る。

「アタリが来るけど、針掛かりしない」

そんな焦れったい状況が、暫く続く。

「場所を変えましょう」

次のポイントに、移動する。

時化前には、余りベイト反応の無かったポイントだが、魚探にベイト反応が映る。

東原さんに、アタリが来た。

「ゆっくりと、楽しんでくださいね」

横でタモを構えて、獲物が上がってくるのを待つ。

「カンパチですね」

最初のカンパチよりも、少しだけ大きく感じる。

「カンパチが逃げていませんでしたね」

時化の後だけに、期待したカンパチの釣果が嬉しい。

ただ、ベイト反応が思ったよりも出ていない。

潮に手を付けると、暖かい。

「潮の肌触りからすると、良い感じに思えるのですがね」

下潮の動きがイマイチなのかも…。

心配していた風も、朝の北西の風がやや強く吹いていたが、午前10時頃になると穏やかな風に変わってきた。

北西から北へ、そして北東へとお決まりの様に風が変わるが、風力はそよ風に感じるくらい。

ただ、北東から時折、大きなウネリが来る。

船が持ち上げられる様な、感覚を覚える。

東原さんに、次にヒットしたのは、2キロクラスのニベだった。

時間も昼頃になると、時折、南東の風が吹いてくる。

しかし、直ぐに東風にかわる。

船を流していると、時折、良いベイト反応が出てくるようになった。

満潮の潮止まりから、干潮の潮が動きだした時間帯に変わった。

「来ました」

東原さんがアタリを捉えた。

良い走りを見せている。

1キロ超のカンパチが、上がってきた。

ポツポツとだが、アタリを捉えることが出来た。

久し振りの船出は、潮の動き、風の様子等々が味方してくれたような気になった。

青い海に船を出して、釣果を求める。

「やっぱり、気持ち良い」

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