8月2日お父さん頑張る
夜明け前の船着き場は、北東の風が吹いていた。

猪崎鼻を通る頃には、岩場には小さいが波飛沫が上がっていた。

「ウネリが出ているのかな」

台風8号の影響だろうか。

大島の東側に出てみる。

その時点では、思ったほどのウネリではない。

潮色も、綺麗な青色をしており、透明感もある。

船を進めながら、ベイト反応を探す。

「良い感じで反応が出ていますよ」

塩田さん、お嬢さんの智子さんに竿出しを勧める。

下り潮が0.6ノット前後で流れている。

智子さんに、直ぐにアタリが来た。

上がってきたのは、鯖だった。

今日も、鯖は元気良く、泳ぎ回っている。

塩田さんが大きく、アワセを入れた。

針掛かりした獲物が、力強い走りで対抗する。

ドラッグ音が鳴って、ラインが引き出される。

「サメじゃ無いよな」

不安が頭を過ぎる。

「見えました。ブリです」

上がってきたのは、丸々としたブリ。

塩田さん親娘で、記念写真を一枚。

89センチのブリを掲げる塩田さんが、嬉しそうな笑顔。

お嬢さんの智子さんに「お父さんの輝く姿」を見せられたかな。

智子さんにも、ブリと思われるアタリが来た。

ラインが引き出され、竿先が思いっきり海面に向かって、押さえ込まれる。

今から、体制を整えて…と、思った瞬間リーダーが切られた。

「残念やったね。今のはブリやったね」

塩田さんも、残念そうだ。

智子さんの竿には、アタリが続く。

丸々と太った鯖が力強い走りで、引き味を楽しませてくれる。

塩田さんにも、アカハタがヒットしてきた。

しかし、この頃になると、北東の風が徐々に強くなってきた。

沖合には、白波もチラホラ見え始めた。

スマホで天気予報を見ると、北東の風が6メートルになっている。

体感的には、それ以上の風の強さに感じる。

安全第一で内場に入ったが、回り込んでくる風も強く吹き付けてくる。

「帰りましょうか」

午前中で釣りを諦め、帰港した。

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