4月20日オレンジが良いかな
早朝の岸に寄せ来る波を見ていると「今日は表に出られるかな…」と、心配になってきた。

猪崎鼻や大島北側の岩場には、高い白波が打ち上がっている。

「一度、沖波止を出てから、波の様子を見ましょうか」

塩田さん、黒原さんと相談しながら、船着き場を離れた。

「出るだけ出てみるか」と、表に船を進める。

「思ったほどの波は無いな」が、第一印象だった。

潮色も青味があって、良い感じの潮になっている。

船を走らせながら潮を見ていると、流れ藻の多さが気になった。

スクリューに絡めないように、気を付けながらポイントを目指す。

目指したポイントには、既に仲間の船が来ていた。

いつも連絡を取り合う、海響丸の森船長の姿も見える。

邪魔にならないように、少し離れたポイントに位置取りする。

直ぐに魚探を見ると、小さいながらもベイトボールが出ている。

塩田さん、黒原さんが釣りを開始する。

潮は以外にも、南に向かって流れる下り潮。

0.7ノット前後で、ゆっくりと流れている。

釣りをするには、丁度良い速さになっている。

黒原さんに、今日最初のアタリが来た。

竿先をグングンと叩く、真鯛独特のアタリだ。

51センチ、1.5キロの真鯛が上がってきた。

「良い真鯛が来ました」と、嬉しくなる。

塩田さんにもアタリが来た。

「バタバタと暴れるね。エソやろうか」

ゆっくりと巻き上げてみると、ガンゾウヒラメが上がってきた。

次のアタリも直ぐに来た。

いきなり、ドラッグ音が鳴った。

「ドラッグを、ゆるゆるにしていました」

塩田さんが、笑いながらやり取りを楽しんでいる。

大きなオジサンが上がってきた。

「此は、刺身が美味しいですよ」と笑顔が良い。

出足は浅場から攻めてきた。

「ちょっと、ポイントを移動しましょう」

少し深場に、移動した見た。

風は、北西の風が程良い感じで吹いている。

「これ以上は、強くなりません様に」

風の神様にお願いする。

黒原さんに、今日一番の大当たりが来た。

「ゆっくり出良いですよ。引きを楽しんでくださいね」

声を掛けて、タモの準備をする。

「あっ…」黒原さんの声がした。

「外れました…」と、口惜しそう。

「大丈夫です。また来ますよ」と、口惜しさを蹴散らして欲しいと声かけする。

暫くすると、又しても黒原さんにアタリが来た。

良い感じで、竿が曲がっている。

黒原さんも、ゆっくりと慎重にやり取りをしている。

78センチ、3.7キロの見事な真鯛が上がってきた。

「やった、嬉しいです」と、黒原さんの笑顔が良い。

塩田さんも「やったね!」と、笑顔で祝福している。

黒原さんと同時に、塩田さんにも大きなアタリが来たのだが、ラインブレイクで逃げられていた。

その口惜しさよりも、仲間の釣果を祝福。

その塩田さんに、アタリが来た。

小気味よい引きを見せている。

「真鯛ですね」

食べ頃サイズの、1キロ弱の真鯛が上がってきた。

「真鯛が嬉しいです」と、チョットホッとした表情だ。

その塩田さんに、続けてアタリが来た。

ドラッグ音が鳴る。

「余り竿を叩かないですね」

「ブリですかね」

「もしかしたら、そうかもね。竿先を叩かないですもんね」

「ブリかも」と、海中を見ていると沖目に魚が浮いてきた。

「真鯛だ。デカイですよ」

76センチ、4.0キロの腹太の真鯛だ。

「久し振りの、4キロですね」

「オレンジ色のタイラパが良かったかな」と、笑顔の塩田さん。

今度は、黒原さんが塩田さんを祝福。

船上は、笑顔で満開になった。

口惜しいバラシもあった。

でも、それをカバーする楽しいアタリも来た。

帰りの船中は「今度は逃がさないよ」と、笑顔が輝いていた。

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