1月30日思うように行かないな
「今日は、激流やったやろ」と、船仲間に聞かれた。

「いや、俺たちが居たところは、1ノット前後だったよ」と、答えた。

上り潮が、ゆっくりと1ノット前後で北に流れていて、釣りし易かった。

「浜瀬アタリは、激流で釣りにならんかったらしいよ」

いつもは、沖合が激流で浅場がトロミ潮と言うパターンが多いのだが、今日は違ったみたいだ。

朝間詰めは、北東からのウネリが残っていて「このまま風が南より変わったら嫌だな」と、思っていた。

時化る前に速く勝負したいと思い、魚礁の有るポイントへと急ぐ。

天気予報では「南東の風が吹く」と、言っていた事もあるのか、見渡す限り船の姿が見えない。

ずっと沖合に、漁船が一隻見えるくらいだ。

今日の狙いは、大物のアラ。

「釣れると良いですね」と、ポイント選定も慎重にする。

「何とか、釣りたいですね」と、原さん。

「アラ狙いの置き竿と、ジギングの2竿立てでいきます」と、力が入る。

前々回は途中から大時化になり、前回は、全く潮が動かずにアタリが来ても、途中で外れた状況に苦しんだ。

「思うように行かない事ばかりですけど、頑張りましょうね」と、釣り開始。

一流し目は、アタリが出なかった。

二流し目に入り「ベイトが出てきました」と、原さんに声を掛けた。

すると、「来ました」と、原さんの竿が曲がった。

重々しい、重量感のある走りを見せている。

「底を切ります」

竿の力を信じて、ドラッグを締め気味に調整する。

「何とか、切りました。後は、ゆっくりやります」

少しずつ、ラインを巻き上げていく。

しかし、途中から魚の引きが違う感じがしてきた。

「アラでは、無い気がします」

海中に見える姿は、白く光っている。

「ニベです」

巨大なニベが上がってきた。

タモに入れ、船に引き上げるときは二人掛かりだ。

長さを測ると、125センチとビッグサイズ。

25キロ秤が振り切れた。

「久し振りの大物ですね」と、苦笑い。

潮も干潮の潮止まりから、満潮に向かっていく。

「これからですね」と、期待が膨らむ。

が…しかし、思うように行かないのが釣りの世界。

風が北西から真北に、そして東にと変わっていく。

上潮は1ノット前後で流れているが、下潮が動きが悪い。

ラインが来てに流れずに、船の下に入る感じになっている。

潮が動いているところを探そうと、少しずつ深場に移動していく。

何処を探っても、同じ潮になっている。

アラ狙いの竿に、ゴツゴツとアタリが来るのだが、最後の引き込みがない。

時折、エソが食いついて上がってくる。

エソは、元気な様だ。

そうこうしている内に、風が止んできた。

べた凪ぎの海になってきた。

「天気は分からんもんですね」

「南よりの風で時化ると思っていましたけどね」

二人でこんな天気の話になっていく。

午後になると、沖合にいた漁船も帰っていった。

この頃から、風が少しずつ南寄りになってきた。

大ニベの後に下潮が動かず、アタリが出なくなった。

「出直しますか」

区切りをつけて、帰港した。

「良い出足と思ったけど、思うように行きませんね」

チョット、口惜しい気持ちも持って帰った。

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