12月19日午前中は凪の日
「今日も、風が吹くやろうか」

「昼頃から吹くかも知れませんね」

「天気予報は、一日凪ぎになっていたよね」

「気温も18度くらいになっていたよね」

最近、出航前の船着き場では、この様な会話が多い。

凪の海を期待して、沖のポイントを目指した。

旭先生、厚澤さん親子で釣りを楽しむ。

今日は、鯛ラバがメインとなる。

「ベイト反応は少ないですが、潮を確認するために流してみましょう」

「水深はどれくらいですか」

「70メートルくらいです」

潮は、緩い上りが北東に0.8ノット位で流れている。

「ベイト反応が少ないですが、海底付近に反応があります」

旭先生に、アタリが来た。

時折、良い感じの突っ込みを、見せている。

上がってきたのは、良型のイトヨリダイだった。

「まずまずの出足ですね」

旭先生に続けてアタリが来た。

カイワリが上がってきた。

厚澤さんにも、アタリが来た。

獲物の引き具合から、想像してイトヨリかな。

想像通り、良型のイトヨリダイが上がってきた。

船首で竿を出している、厚澤(息子)さんにもアタリが来た。

「どんな感じですか」

「んっ…。引きは強いですね」

上がってきたのはウミゴイ(オジサン」。

「このオジサンは、美味しい魚ですよ。刺身が美味しいと評判ですよ」

「見た目はイマイチですよね」

「其処なんですね。見た目の分だけ損していますね」

しっかりと血抜きをして、クーラーへ納める。

ポイントを移動する間に、魚探に鯖の群みたいな反応が出た。

旭先生と、厚澤さんにアタリが来たる

船首にいる厚澤(息子)さんにもアタリが有ったようだ。

旭先生にはゴマ鯖が、厚澤さんにはオジサンが上がってきた。

狙いにしている、真鯛のアタリが出ない。

「チョットポイントを変えましょう」

15分ほど船を走らせる。

しかし、この頃から真西の風が、少し強くなり始めた。

チラチラだが、白波も見えるようになってきた。

「やっぱり、風が出てきましたね」

次のポイントに入る頃には、風の影響で船の流れが少し速くなっていた。

そんな中、旭先生にアタリが来た。

上がってきたのは、良型のチダイだった。

「鯛が来ましたね」

「良い型のチダイですね」

このチダイが上がった頃には、風が強くなり始めていた。

「ラインが可成り流され始めましたね」

アタリも取りにくくなり始めた。

「上がりましょうか」

一日の凪を予想していたが、やはり風が出てきた。

風の勢いが出る前に、帰港した。