7月18日切られた…伸びた…頑張った
「最近はフグが多くて、苦戦しています」

船着き場で、出船前に現況を報告。

「本来、行く予定にしていた処は中止して、フグが少ないと思われるところから行ってみます」

少々の期待と大きな不安を持って、港を出る。

潮色は可成り青みも戻って、良い感じになっている。

昨日は、2ノット前後で流れていた潮も、今日は0.6ノット前後と緩やかな流れになっている。

「良い感じかな」と、期待感が膨らむ。

ポイントに入り、直ぐに釣り開始。

直ぐに小牧さんにアタリが来た。

上がってきたのは、丸々とした鯖。

タモ入れして船上にあげたが、持ち上げた瞬間に暴れて「バイバイ」と海に帰っていった。

今度は、野崎さんにアタリが来た。

「偉い走りますね」

「鯖ですかね」

海面を見ていると「2匹掛かっているよ」と、青池さんの声がする。

丸々とした鯖が2匹針掛かりしていた。

出だしから仲良し三人の笑い声が、楽しそうに海上に響く。

「鯖が寄ってきたかな」

と、私なりに思っていると、ここから様子がチョットずつ変化していく。

「ホール中に何か当たってくる」

「コツコツと、触ってくる」

「あっ、切られた」

問題児のフグが出てきたようだ。

鯛ラバやジグを巻き上げると、数匹の金フグが付いてくる。

「場所を変えましょう」

と、移動しても、直ぐにフグが顔を見せる。

深場に行っても、フグに仕掛けを切られる。

「リスク覚悟で、頑張らなくちゃ」と思っても、少々心が折れそうになる。

船上で「何処に行っても、フグのリスクは付いてくる。腹を決めて、頑張りましょう」とポイントを移動する。

満潮の潮止まりでもあるが、ベイト反応のあるところを探して、釣りを再開。

野崎さんにアタリが来た。

「小さいですね」と、巻きスピードを上げて行く。

上がってきたのは、大きなエソだった。

船首で、小牧さんの声がした。

「来た!来たよ!真鯛だよ!」

フグの猛攻に耐えてきているだけに、思わず声が出る。

竿先を叩くアタリは、真鯛に違いない。

上がってきたのは、46センチ、1.4キロの良型真鯛。

小牧さんがフグの攻撃に耐えてきて掴んだ真鯛に、思わずガッチリと祝福の握手。

野崎さん、青池さんからも祝福の声。

仲良し三人の笑顔が良い。

しかし、後が続かない。

「ポイントを変えましょう」

再び、移動する。

ここからが、チョット賑やかな釣りになるとは思っていなかった。

小さなアジゴがあったので、野崎さんの針につけて落としてみた。

直ぐに反応が出た。

野崎さんの竿が舞い込んだと同時に、強烈な走りが襲ってきた。

が…、直ぐに竿が戻った…。

巻き上げてみると「針が伸びてる…」

針先が伸びて、獲物が逃げてしまった。

数匹あるアジゴを三人で付けてみた。

直ぐにアタリが来るが、食いちぎられたり、アジゴだけ取られたりが続いた。

残り時間が少なくなってきた頃、青池さんに強いアタリが来た。

真っ直ぐ真下に走る獲物。

大きく曲がり、獲物の走りに耐える竿。

「何だろう?」

みんなで応援しながら、海中に目を凝らす。

「見えた。サメだ」

「えー…サメか…」

1メートル近いサメだった。

フグの猛攻に始まり、なかなかアタリが出ない時間が続く、苦戦の釣りだった。

でも、小牧さん、野崎さん、青池さんの最後まで諦めない釣りは、今日の暑さも凌いだ。

「今日は、凄く渋い釣りになりましたね」

「また、頑張ります」

リベンジを誓って、帰港した。