４月１９日　釣れるかな
「カンパチが釣りたいね」

「釣れると良いね。定置網には、大物が入っているみたいよ」

出港の準備をしながらの話。

「ベイトは良い感じで、出ているね」

「おお良い感じ」

ポイントを目指して走っている途中の会話。

「ウネリがあるね」

「結構、大きなウネリが来るね」

時には、目線を越えるウネリが寄せてくる。

久し振りの海上は、北東からのウネリが大きいが、潮行きは、上りが沖に１ノット前後で払い出していた。

金丸さんが、直ぐに竿を出す。

バイトは直ぐに出ているようだ。

「何かが触るけど、ヒットしない」

魚探に映るベイト反応が、段々と大きくなっていく。

「小さいけど、なんか来た」

小型の真鰺、ウッカリカサゴが続けてヒット。

ベイト反応の良さと相反して、思うようなアタリが出てこない。

ポイントを変えてみるが、ベイト柱が何本も出てくる割には反応が少ない。

「変だね。こんだけ良い反応なのに、潮が変わるかな…」

上り潮が、段々と流れなくなり、下り潮へと変わり始めた。

潮の色もやや緑色が入り始めた。

「このままでは、アタリを捕らえられない」

と、再び移動する。

移動する途中に、上り潮と下り潮がぶつかって、潮目が出来ている場所があった。

今度は、大きなベイト反応は避けて、海底付近に出てくる小さな反応に対して仕掛けを入れてみた。

「何か来たよ」

ガンゾウヒラメが、上がってきた。

ジグには、良い反応が出ないこともあり、鯛ラバに集中する。

スローな巻き上げよりも、早巻きの方にアタリが出ている。

「ちょっと、良い引きだよ」

ヒット直後にラインが引き出される。

上がってきたのは、良型のイトヨリ鯛。

「最初の引きは、強かったね」

真鯛とは、チョット違うなと感じたが、これほどの良型は久し振りかな。

しかし、魚体が冷たい。

底潮の水温が、低い感じがする。

船を流すコースを変えながら、ポイントを攻めてみる。

金丸さんに、強いアタリが来た。

ドラッグ音が鳴り、ラインが引き出される。

竿も、良い感じに曲がっている。

「ゆっくりと楽しんでくださいね」

少しずつ、ラインを巻き上げていく。

「見えた。真鯛だね」

６５センチ、２．９キロの雄の真鯛。

良い感じの真鯛だ。

「食べるには、これ以上大きいのは要らないね」

「神経締めしておきますよ」

血抜きして、クーラーに納める。

「今からかな」と思ったが、南西の風が強くなり始めた。

「昼頃になると、南風が出てくるね」

仕方なく、大島内場に移動する。

ここも、南西の風が波立っている。

そんな、悪条件の中だが、良型のイトヨリ鯛が連続でヒット。

「真鯛が来て欲しいよね」

なかなか、２枚目の真鯛が来ないままに、納竿タイム。

南西の風も強くなってきたこともあり、帰港した。