3月12日 真鯛が釣れた。
潮は下り潮。

昨日よりは、青味が戻ってきたように感じるが、潮行きはイマイチ動きが悪い。

魚探に出てくるベイト反応も、立ち上がりがイマイチ、パッとしない。

小野さんにアタリは出るのだが、丸々と太ったエソが連発。

「調子が上がらないですね」

生き餌用の魚を求めて、竿を出していた脇坂さんにアタリ。

えさに丁度良いくらいの、スボタが上がってきた。

直ぐに、生き餌にして投入する。

スボタが動き回って、竿先がプルプル震える。

突然、竿先が大きく振れだした。

「まだやど。まだダメやど」

スボタに襲いかかっている奴が、走り出すのを待つ。

「突っ込んだ。行けー!」

ところが、竿先が元に戻った。

その後、アタリが出なくなったので仕掛けを上げてみた。

スボタの頭だけが上がってきた。

「食い込めよ…」

「くそっ、ここまで食い散らかすなら食い込め…」

悔しさが、ムラムラと込み上げてくる。

気を取り直して、アジコを付けて仕掛けを落とす。

船首では、小野さんにアタリが来ている。

良型の鯖が来た。

「血抜きしますね」

脇坂さんにもアタリが来た。

良型の真鰺だ。

「これは、生き餌にはもったいないですよね」

「刺身になりますよね」

「生き餌は、このアジコにしましょう」

この真鰺も、丁寧に血抜きをして鯖と共にクーラーへ。

アジコを生き餌にしていた竿にアタリが来た。

ガガッ!と、強く竿先にアタリが来た。

しかし、突っ込まない。

巻き上げてみると、アジコが取られている。

「アジコは小さいから、一発で行くと思ったけどな…」

今度は、小野さんにアタリが来た。

良い感じの竿の曲がりだ。

「真鯛みたいですね」

「真鯛だと良いですね」

楽しみながら、ラインを巻き上げていく。

1.5キロクラスの雌の真鯛。

「真鯛が釣れた。嬉しいですね」

「待望の真鯛ですね」

「雌で卵が入っているかもですね」

「卵は、甘辛く煮ると美味しいですよ」

昨日からの動きの悪い潮の中から、真鯛が釣れた。

「嬉しいですね」

小野さんの真鯛を、皆で祝福する。

昼過ぎ、所用が出来たこともあり「今日は引き上げますか」

真鯛が釣れた喜びを持って、帰港した。