2月18日 一つテンヤの面白味
出船準備をしていると、仲間からの連絡が入った。

「沖はウネリがありますよ。気をつけてくださいね」

「沖は諦めて、内場に入ります」

二人の仲間が、海の様子を知らせてくれた。

裸バエ近辺に行くと、ウネリがある。

明日から、天気が崩れる予報になっている前兆だろうか。

「我々も内場からスタートしましょう」

久家さんと、内場に向かって船を走らせる。

確かに、内場も鞍崎灯台を南に回ると、ウネリが高い。

内場の40メートルあたりから、釣りを開始する。

周囲の船の様子を見ていると、何か“ジジジー”と小さな音が聞こえる。

振り向くと、久家さんの竿が大きく曲がっている。

一つテンヤの細竿が、気持ち良い位に曲がっている。

時折、ラインが引き出されていく。

「何やろうか。真鯛だと良いですね」

上がってきたのは、59センチ2.3キロの雌の真鯛。

「綺麗な色をしてますね」

「嬉しいです」

一投目から良い真鯛がヒットしてきた。

一つテンヤと、鯛ラバを交互に出していく。

「アタリはありますよ。何か触ってきます」

久家さん得意の一つテンヤに小振りのエビを付けて、落としていく。

「何か来ています」

ラインがスーッと針が出来るのが分かる。

「走った!」

「あっ…」

合わせと同時にリーダーが切られた。

「テンヤごと持って行かれました」

久家さんが残念そうな表情。

この後、潮が動かなくなったこともあり、ポイントを移動。

「良い感じのベイトが居ますよ」

又しても、久家さんの一つテンヤに強いアタリが来た。

合わせを入れると「乗った!」ラインが走る。

タメを作ろうとするが、相手の走りは強烈。

又しても、リーダーが切られた。

この後、流すコースを変えると、又アタリが来た。

上がってきたのは、イトヨリダイ。

「一つテンヤって、面白いですね」

「アタリが“ドーン”って感じで、いきなり来ますね。楽しいですね」

一つテンヤを語る時の久家さんは、笑顔だ。

まだまだアタリは出そうな感じだったが、風がやや南が入ってきた。

「今日は、充分です。切られた獲物は、次の機会に取りたいですね」

次回のリベンジを誓って、帰港した。