12月28日 チャンスはその時
「昨日、ハガツオがヒットしたポイントから行きましょうか」

「この時期のハガツオは脂がのって美味しいでしょうね」

“釣ったら食する”新鮮な魚を食することが出来る釣り人の特権だろう。

しかし、ベイト反応は素晴らしくあるのだが、アタリが出ない。

2度、3度と流してもアタリが出ない。

「ポイントを変えましょう」

すると、私の従兄弟の信司にアタリが来た。

アカヤガラだ。

「これは、今まで捨てていたけど、今日は持って帰ります」

「美味しい魚と、最近はみんな持って帰る様になったね」

今度は、蔵屋さんにアタリが来た。

アヤメカサゴだ。

「みそ汁かな」

今日のアタリの出方は、チョットしたストレスを感じる。

アタリが来ても、直ぐに針を外す。

「乗ってこない」アタリが続く。

10時前には、沖から上り潮が入ってきた。

「此で少しは変わるかな」

ポイントを移動して、蔵屋さんはインチクで、信司はジグで海底付近に出ているベイト周りを攻めていた。

「来た。何か乗った」

と、蔵屋さんに重量感のあるアタリが来た。

一気の走りに、思わずブレーキを掛けたらリーダーが切れた。

「しまった。親指に力が入りすぎた」と、蔵屋さん。

その直後に、信司にも大当たり。

「瀬掛かりか…。いや、違う。走り出した」

どうやら、青物が回ってきたようだ。

船首に立って、やり取りを開始。

リールを巻く姿も、良い感じで巻き取っている。

大分巻き上げたところで、魚の走りに耐えている。

すると「あっ…切れた…」

リーダーの上の方で切れている。

アタリが出る前に、何度かエソが掛かっていた。

もしかしたら、その時に傷が入っていたのか…。

「チェックはしていたけど…」と、ちょっとショックの表情。

「チャンスだったのに…。此を取るかどうかは大きな差ですね…」

「そうですね。チャンスはその時ですものね」

この後、信司がイトヨリダイを追加。

次のチャンスは、なかなか回ってこなかった。

「また、来ます。必ず来ますよ。その時、頑張りましょう」

失敗の積み重ねも、釣りの一部かな。