11月21日 安全第一で行きましょう
船着き場では、昨日ほどの風は吹いていない。

「今日は大丈夫だろう」

そう思って、岡村さんを乗せて港を出た。

しかし、沖波止を回る前に、大島北側の岩場に大きな波飛沫が上がった。

「んっ…波がある」

不安が的中。

北東からの大きなウネリが寄せていた。

「無理は止めましょう。安全第一でお願いします」

岡村さんの要望と、私の思いが一致。

昨日に続き、今日も大島の内場に向かう。

どことなく寂しい気持ちもあるが、大きなウネリがある中、無理は禁物。

ベイトを探して、岡村さんが竿を出す。

北東の風が大島を回り込んで、真北の風のように感じる。

鯛ラバでゆっくりと海底付近を探っていると、岡村さんに今日最初のアタリが来た。

上がってきたのは、良型のイトヨリダイ。

「兎に角、最初の一匹が釣れて良かったです」

続けて鯛ラバを落としていくと、直ぐに次のアタリが来た。

「今度は重いです」

ゆっくりとラインを巻き上げていく。

すると、ガンゾウヒラメとイトヨリダイがダブルで上がってきた。

「こんなダブルの組み合わせもあるんだ」

と、ちょっと驚き。

でも、どちらも海底付近の砂泥に多い魚だ。

ここから、流すポイントを変えるたびにイトヨリダイがヒットしてくる。

釣果が有れば、自然と笑顔になる。

岡村さんの笑顔が楽しそうで、私も嬉しくなる。

「後は、真鯛が来ると万々歳やけどね」

朝間詰めに真鯛と思われる強いアタリが来たのだが、残念ながら針はずれで取り逃がした。

何度かラインを引き出していくアタリだっただけに、大物だったかもしれない。

チョットだけ、口惜しい重いが頭をよぎる。

でも、直ぐに気持ちを切り替える。

流すポイントも風と潮の流れによって、移動していく。

岡村さんにアタリ。

ガンゾウヒラメも、肉に厚みのある良型が上がってくる。

料理の話になるが、私は煮付けか刺身くらいしか思いつかない。

昼過ぎになって、少し風が落ちてきたように感じたこともあり、移動する。

「ちょっと、沖に出られるか移動してみましょう」

まずは、水深50メートルのポイントを目指すが、やはり北東からのウネリが高い。

沖に進むに釣れて、風も強くなってきた。

「やはり、無理は止めましょう」

岡村さんの希望もあり、途中から引き返す。

天気予報と違って、ウネリが高く風も強い。

明日は雨模様になっているし…、波が落ちると良いのだが…。

「沖合は、次回に行きましょう」

北東の風を背に受けて、帰港した。