9月20日 速い下り潮

水平線から朝日が昇る頃、今日の釣りを開始する。

「ラインが、潟方向に入ってるね」

「潮が速いですね」

船が南東方向に流されていく。

「下り潮やね」

「着底が取りにくいですね」

速い下り潮に、なかなか着底が取れずに苦戦している。

最初のアタリは、仕掛けを回収していた時だった。

「何かアタリました」

稲用さんが、強いアタリを捕らえた。

「鯖かな」

最初の内は余り引かなかったが、途中からドラッグからラインを引き出すくらいの走りを見せ始めた。

「ハガツオみたいですね」

上がってきたのは、2キロ近いハガツオ。

「良型やね」

好調の出足に、自然と笑顔になる。

「アタリは、可成り上の方でした」

確かに魚探にも、水深の浅いところにベイト反応が出ている。

次の当たりも、ホール中に来た。

これも、2キロ近い良型のハガツオ。

鯖のアタリも、時折来る。

鯖も丸々とした良型だ。

3匹目のハガツオも、ホール中に来た。

順調に釣果を上げていく稲用さんだが、少しずつ潮が変わり始めた。

下り潮は変わらないのだが、下潮が上りに変わり、流れも速くなってきた。

ジグの重さを200グラムに変えて、対応していく。

少しでも、釣りやすいポイントを探して移動する。

アタリが出にくくなった中、私にアタリが来た。

「重い引きだね」

上がってきたのは、2キロクラスの白甘鯛。

「高級魚が来ましたね」

「久し振りに白甘鯛を釣ったね」

私の出足は針はずれの連続だっただけに、ホッと一息。

昼を過ぎると、又しても潮が変化し始めた。

「着底が取りやすくなってきました」

苦しんでいた2枚潮が、緩やかになってきた。

これまで南東方向に流されていた船が、緩やかに北東方向に流れ始めた。

「潮が変わってきた。船を入れ替える」

流す位置を移動する。

ここから、暫くはアタリが連発してくる。

丸々とした鯖が、トリプルヒット。

強烈な引きを耐えていると「あっ、針が外れた」

等々、ちょっとした楽しい時間になった。

しかし、上がってくるのは鯖が多く、鰺の型がイマイチ大きくならない。

潮が上り潮に変化を見せ始めたが、今日の釣りもタイムアップ。

雨が天気の変化を知らせてきた。

明日の天気を気にしながら帰港した。