2022/09/04 UP
インプレ

【バス釣り】リザーバーにおけるターンオーバー発生のメカニズムと対処法を知る/高橋洋一

皆さんこんにちは。

サンラインバステスターの高橋洋一です。

 

今回は【リザーバーにおけるターンオーバー発生のメカニズムと対処法を知る】というテーマについて解説していきたいと思います。

 

【ターンオーバーはどんな現象なのか】

真夏が過ぎ残暑が続いていますが夕方には少し涼しさを覚える頃です。そんな晩夏~早秋にはバスの活性を著しく低下させる【ターンオーバー】が発生します。このターンオーバーのメカニズムをご存じでしょうか?

 

雑誌やYouTubeなどでご覧になり“水が汚れて釣れなくなる現象だよね?”程度にはご存じだとは思いますが、この発生のメカニズムを知れば対処する手段や避けられるエリア(逃げ道)、有効なタックルが見えてくるのです。今回のコラムではターンオーバー初期の考え方とタックルセッティングについて書いていこうと思います。

 

ターンオーバーとはどのような状態なのか?

まずはこれを知らないと始まらないターンオーバーが発生した際の水の状態です。

ロッドで搔きまわしたり、船が通ったりした後に残る「泡」が消えない現象がターンオーバー発生を示しています。水質はとろみがあり、水色は赤茶色であったり、ゴミが浮遊していたりととても汚い状態になります。

【ターンオーバー発生のメカニズム】

ではなぜ水が汚れてしまうのでしょうか。晩夏~早秋になると夕方は過ごしやすく涼しくなりますよね。その外気が涼しくなることにより夏の間は温められて比重が軽く上層に留まっていた水が下層の水よりも水温が低くなることで上層の水の方が重くなり上下の水が入れ替わります。簡単に言えばそれがターンオーバーです。

 

ただ、それはいきなり訪れる現象ではなく夏の間に形成されるサーモクライン(水温躍層)があることで初期段階では“目に見えて水が汚い”という状況にはなりません。このサーモクラインは高酸素の暖かい水と低酸素の冷たい水の境目です。サーモクラインができている期間はサーモクラインから上の層の水が循環を繰り返します。状態としてはちょっと汚れてきたかな?程度です。

 

では何が起こるとターンオーバーが本格化するかと言えば「台風や強風」です。水が大きく攪拌されることによってサーモクラインが壊され一気に水が混ざることで発生します。この一気に水が混ざることで下層の水と沈殿ゴミ、ヘドロ、生物の死骸などさまざまな汚いものも混ざってきてしまいます。これがターンオーバーのメカニズムであり、バスが口を使わなくなる要因です。

【ターンオーバー発生時の戦略】

それではターンオーバーが発生した場合どのような戦術で釣りを展開していったら良いのかを解説します。

まず前提として釣りにくいバスを追うのではなく、釣りやすいバスを探すことを戦略においてください。それはどういう事かと言うといきなり釣りを始めてしまうのではなく、現状において水の汚れていないエリアを探すことから始めるということです。

 

バス釣りは確率論で追い詰めてゆきます。シンプルな話ですが水の汚れた釣りにくいところで頑張るよりも、水が良いエリアの釣りやすい魚を探すことでバスが口を使う確率を上げることができます。そんなの当たり前じゃないかと思われるかもしれませんがフィールドに出ると意外と見落としがちなことなのです。

 

次に上層と下層の水の動きが少ないシャローエリアを釣ること。ターンオーバーの影響が少ないことが多いです。またその場合は風下で釣りをしない。なぜなら風下には悪い水が寄せられてきてしまうから。風上のシャローがキーポイントです。

 

さらにスポットまで絞り込む作業にもちょっとしたコツがあります。それはシェルターとなる密なカバーやウィードを見つけること。たとえば皆さんが外出中に空気が悪くなった場合、悪い空気を避けられる家の中や室内に逃げ込みますよね。バスにおいてはそれが密なカバーやウィードです。良い水をずっと保持してくれる訳ではありませんが“とりあえず凌ぐ場所(スポット)”としては良いスポットとなることが多いです。

【ターンオーバーが発生した際の対処法要点】

水の汚れていないエリアを探して釣る

前述したように強風や台風の影響が少ないエリアではターンオーバー発生の影響が少ないことが予想されます。初期段階ではワンドや何かに囲われているエリアを探すことで打開策が得られる可能性が高いです。

 

上流域やシャローエリアで釣りをする

ターンオーバーは上層と下層の水が入れ替わりゴミ、ヘドロ、生物の死骸が混ざることで水が汚れるため、上下層の水温差が少ないシャローではターンオーバーの影響が少ないことが多いです。

 

密なカバーやウィードを釣る

水の動きが少ないエリアではターンオーバー発生前の綺麗な水が保持されバスのシェルターとなっている可能性があります。

 

【ターンオーバー発生時に有効な釣り方とライン選択】

ターンオーバーが発生するとバスは口を使わなくなってきます。バスに食欲がない状況でバイトへ持ち込める釣りをメインに組み立てることになります。キーワードは“リアクション”

前述した戦略と対処法を踏まえたキーワード「シャローエリア」「密なカバーとウィード」を釣ってゆく上で有効に攻められるのは中流域ではテキサスリグ、ジカリグ、パワーフィネス、上流域ではシャッド、吊るし(虫系)、バズベイト、スピナーベイト、チャターベイトあたりがメインになってきます。

 

「中流域編」

中流域でのカバー攻略では、ターンオーバーが発生している中で水がマシなだけのスポットを釣ることになります。よって食欲旺盛ではない状況で口を使わせるためにリグ・ルアーはコンパクトでありながら重たくて速いことが重要です

 

悪い水で食欲がないという状況から吸引して餌を獲る意識ではなく瞬発的に口を開けさせて放り込むことになるため、通常なら3.5~4インチホッグワームに5~7gのテキサスシンカーを用いるテキサスリグを使っているのであれば3インチホッグワームに12g~18gテキサスシンカーを使用してリアクションバイトをさせるといったゆっくり見せてバイトへ持ち込む釣りとは逆の発想が重要となります。

また、リアクションの釣りとなるとラインへの負担が大きくなるため太めのラインを選択した方が良いです。リアクションテキサスでおすすめなのが【シューター】【FCスナイパーBMS AZAYAKA】14ポンド~20ポンドです

シューター

シューター・FCスナイパーBMS AZAYAKA

AZAYAKAをおすすめする理由としては、視認性の高さを生かしてカバーのスポットを的確に撃ち込め、正確なメンディングが行え、レンジを丁寧に把握することができる為です。また、耐摩耗性能が高いFCスナイパーシリーズの中でもしなやかさを持ち合わせたカラーフロロであるためライントラブルも少なくカバー内での糸滑りや操作感が抜群なのです。

 

「上流域編」

上流域では比較的動きのあるクリアな良い水質で釣ることになります。上流へさしてきたバスは捕食モードになっている傾向がありますがクリアな上、川幅やエリアが狭く警戒心が強いのが特徴です。そういった上流域での攻略のキモは“ロングキャスト”です。

 

バスフィッシングにおいてフロロを推奨する傾向が強いと思いますが、私はあえてPE+フロロハリスを使用しています。吊るし(虫系)やパワーフィネスでは比較的軽いルアーをキャストすることが多く、フロロカーボン3~4ポンドが中心となります。上流域では回復したアクティブな個体と対峙することが多く、カバーが絡む状況で3~4ポンドのフロロカーボンはラインブレイクのリスクが伴います。

私が吊るし(虫系)を使用するのであれば【PEエギ ULT HS8】0.6号【トルネードVハード】1.75号を組み合わせです。

パワーフィネスであれば 【PEエギULT HS8】1.2号【トルネードVハード】2.5号を組み合わせています。理由は直強力と糸滑りの良さです。

ソルティメイト PEエギULT HS8

トルネードVハード

【PEエギULT HS8】のシリーズは、ガイド当たりが滑らかで糸鳴りが少なく、コンタクトするカバーに対しても滑りが良いため魚を掛けてもスルスルとカバーから引きはがすことが可能です。また、直強力においてはフロロカーボン4ポンド(1.8キログラム)に対してPE0.6号では9.9ポンド(4.5キログラム)あります。これはキャストの飛距離と共に優れたアドバンテージです。

 

ノットについては「トリプルサージェンス」「クインテッドノット」で十分だと考えていますが「FGノット」でも、「電車結び」でも、「ファイヤーノット」でも自身で覚えやすいノットで結束して頂ければ問題ありません。(FGノットじゃないとといけないような声を聞くことが多いのですがバスフィッシングにおいては気にしなくても大丈夫です。)サンラインノットライブラリーをご活用ください/

https://fishing.sunline.co.jp/knot/

 

【ターンオーバーと向き合う】

ここまでご紹介したターンオーバー。全体から見れば釣り難くなりますが、ターンオーバーの影響が早いエリア・遅いエリア、早く回復するエリア・回復が遅いエリアなど湖によって発生具合や時間差に個性があります。

フィールドの地図を見ながらメインチャネルを追ってゆきターンオーバーの攻略の糸口を見つけることもバスフィッシングです。ルアーのみならずラインやラインシステムを見直すことで辿り着けるビッグバスもいます。サンラインのラインシリーズやツールと共にターンオーバー攻略へ出かけてみては如何でしょうか。

 

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