「花見ガレイ」のシーズン【中本嗣通氏連載記事No.25】 | カンパリプラス

掲載日: 2014/04/09

「花見ガレイ」のシーズン【中本嗣通氏連載記事No.25】

毎度でおます   海水温がぬるむ季節を迎えました。 この時期は「乗っ込みカレイ」と並ぶカレイの好釣期である「花見ガレイ」のシーズン。

カレイ手持ち1

海水温の上昇に伴い沖の深みへ“落ちる”体力を付けるためにエサを食って、食って、食いまくり、産卵でペラペラに痩せ薄くなった魚体を背肉が盛り上がるほど肥えた花見ガレイは、重厚な抵抗を見せる引き味も、食味も、乗っ込み期とは比較できないほどの良好さ。

それも夏へ近づけばチ被くほど身に脂が乗り、美味しく頂けまんねんで。

この機会に是非ともカレイを狙いの投げ釣りに挑戦してみておくんなはれ。

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もちろん、仕掛けはささめ針の各種『達人直伝シリーズ:カレイ仕掛け』で決まりでっせ よろしお頼み申し上げまっさ   【ポイントの考え方】 カレイが生息する海底は基本的に砂地底、砂泥底と考えて間違いおまへん。 でもネ、中にはナメタガレイのように岩盤の上に張り付いているカレイもおりますが、僕らがターゲットにするマコやイシに関してはその限りではないといえまんな。   …かといって、砂地や泥底ならばドコにでもカレイがいるかといえば差にあらず。 実際にカレイが釣れるポイントを選定するには、チョイとした条件をクリアする必要がおまっせ。

カレイ1

でっ、カレイの投げ釣りには遥か以前から「カレイは潮を釣れ!!」という超有名なセオリーがあります。 このセオリーにはカレイ釣りに関する複数の意味がギュッと詰め込まれていますが、その中のひとつにポイントを選ぶにあたって最重要ともいえる「潮通しの良さ」というファクターが含まれてまんねんで。

概ね潮通しのよい釣り場といえば周囲の地形や波止などの構造物によって潮流が遮られ、本流と異なる動きをみせる反流が起きます。 その反流が生まれることで潮がヨレる「反流点」、反流と本流が当たって生まれる「潮目」などがカレイのポイントの目安だといえまっせ。

釣り場1

このような目安ができるイレギュラーな潮の動きをする海底では、潮流による侵食で砂地の海底を掘り起こされて“カケ上がり”や“窪み”といった「起伏」が作られると考えてよろしおます。   こういった海底の起伏の周辺では底潮がヨレてよどみを作り、その部分へ潮流によって運ばれたプランクトン等が溜まりやすくなります。そこで食物連鎖がキッチリと働くことで、ゴカイなどの多毛類や貝類が生息し「カレイが寄り集まるエサ場になっている」と考えてもエエのと違いまっかな。

カレイリグ

その他に、大きなシモリや点在するバラ根といった海底の障害物も底潮の流れに変化をもたらします。シモリへ潮が当たる方向の反対面も潮の変化ができ、同様にエサが溜まると考えられますわ。

つまり、カレイのポイントは「=エサ場」という考え方でOKやと思います。 「=エサ場」と考えて攻めるならば、カレイのエサとなる生物が豊富な大きな河川の河口、人為的に浚渫されてエサが溜まりやすいミオ筋(船道)なども間違いなくGood !! なポイントやと思いまっせ。

釣り場2

また、スクリューで海底を掻き回してエサを舞い上げるフェリー等の大型船が発着する港内も、定期的に人間様がエサを撒いてくれるイケス周りなんかも好ポイントだといえまんな。  さらに乗っ込み期には周辺に産卵場所であるアマモなどが生い茂る「海藻帯」が存在するというファクターも重要で、そんな条件を兼ね備えたポイントで初冬に爆釣するパターンも少なおまへんで。このケースでは水深はさほど重要な問題ではありません。例えわずか3~4mといった浅い水深のポイントでも、条件さえ合致していればカレイが乗っ込んでくるのでノープロブレムでっせ。

カレイ手持ち2

…てなことで、次回に続きます

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