老若男女お手軽ターゲット “ハゼ”【中本嗣通氏連載記事No.19】 | カンパリプラス

掲載日: 2013/09/13

老若男女お手軽ターゲット “ハゼ”【中本嗣通氏連載記事No.19】

毎度でおます   最近、僕が熱心に観るTV番組といえば、日本国営放送ことNHKの『プロフェッショナル』。各界の凄腕プロフェッショナルが持ち備える仕事に対する超シビアなモチベーション、その修行の如きクリエイトの過程がドキュメントで毎回レポートされているのだが、これが本当におもしろい。

プロフェッショナル

また、同じくNHKで8月下旬から4週連続で放映されたドラマ『夫婦善哉』。これも古き良き大正~昭和初期の大阪を大掛かりなセットで再現し、僕としては大阪独特であるハンナリとした船場言葉の言い回し、烈火の如き怒りの大阪弁が随所に出てくるのがメッチャ楽しおましたで。

たとえば「よろしく頼みます」という意味で「よろしおたの申します」なんてハンナリした言い回しは、今の大阪人は滅多と使いまへん。 中風で病床に臥せる大店の主人を演じる岸部一徳が、放蕩三昧のアホボンに放つ「窯の下の灰までオノレのモンやと思いさらすなよ」とか、「久離(胡瓜)切っての勘当や」という洒落の効いた怒号は、生粋の大阪人ならば思わずニンマリとしたのと違いまっしゃろか。

夫婦善哉

ホンマ、最近は日本国営放送のNHKが放映する番組のクォリティーが高おます。 内容のないバライティ番組ばかりを作っている民放各局も、NHKを見習って内容のある番組作りに精進してほしいと思うオッサンでおます。 (まっ、タダ単にオノレ好みの番組を観たいと言う我がままですが…)

さて、世間にチョイとでも秋の気配が漂って来れば、老若男女の釣り人の遊び相手を務めてくれる手軽なターゲット「ハゼ」の季節が巡って来よりまっせ。 僕が“ハゼ”と聞いて僕が思い浮かべるのは、武庫川の河口ですわ。 その昔は初秋になれば阪神電車に乗ってよく釣行しましたな。

ハゼ

でっ、ハゼ釣りの餌といえばあの水ゴカイ。 お猪口に一杯五十円をいくらか買って、残った夏の日差しにさらされながら、秋風が吹き始めた河原の護岸で一日を過ごした蒼い思い出が甦りまっせ♪   さて、坊主頭でチェリーボーイの時代は兎にも角にも、あれから今の今までマハゼをメインに狙って釣行したことなんぞ一度もおまへんで…。 つまり、子供の頃に遊び相手を務めてくれた10㎝前後のマハゼの当歳魚は、大人になった僕の遊び相手にはチョイと役不足ということでっしゃろな。

釣り人

でも、大きな連盟のクラブに加入されているキャスターなら、たとえ相手がハゼであろうとも自己の大物記録を更新するために本気で挑戦されているみたいでっせ。僕の親しい釣友もそのクチで、なんとマハゼの30㎝UPを求めて石川県の能登島、輪島港を始め、島根県の湖陵町といった実績ポイントへ遠征を重ねています。

まっ、ヘタレの僕には当然そんな行動力などあるハズもおまへんから、カレイやキスといったメインのターゲットに振られたケースでハゼに慰めてもらう情けない現状が関の山で…。

でっ、貧果に対して最後の砦になるハゼを狙う釣り場の条件を考えてみると、ハゼの生息に適した砂泥底が広がっていてエサとなる小動物が豊富な場所といえば、河口がイの一番に挙げられます。 それも器が大きいことでハゼも大きく育つであろう、大きな河川の河口が抜群にエエと思いまっせ

武庫川

釣期に関しては夏~初秋は小さな当歳魚が多いのでパスし、カレイが釣れ始める晩秋~初冬になれば20㎝前後に育つことからベストなのと違いまっかな? この頃になるとハゼが深みへ落ちる行動を取るので、河口域でも他より水深のある場所をみつければ、大きなハゼが集団で固まっているケースが多いように思います。   当歳魚を釣る場合はその餓鬼のような食欲で時合いなど関係ないように思いますが、20㎝を超える良型ハゼともなると潮の動きで訪れるカレイの時合いと同時に喰いが立つパターンが多いもの。だから潮の動き始めなど、流れに変化があるときがチャンス()だといえまっかな。   タックル・仕掛けはキス用、カレイ用をそのまま流用してもろたらOKです。 ハリならSASAMEの『大キス』のS~Lか『改良カレイイレグ』の10~12号、市販仕掛けなら『煙舞カレイ』や『桃華カワハギ』がよろしおまっせ。 これらの仕掛けは太糸作りなことから細糸の仕掛けと比べて耐久性があるので、呑み込まれた場合の強引なハリはずし方法もOKですし、ナントいっても絡みにくいのがありがたおます。 しかも、仕掛け捌きがよいショートタイプでっからビギナーにも使いやすいスペックになっているのでお奨めです 。

煙舞カレイ 大キス

晩秋~初冬は引き釣り感覚で仕掛けを動かしてハゼを誘ってやれば、喰い気の薄いハゼもエサの動きに幻惑されて刹那にエサに喰らい付くケースも多々おます。どんな魚であってもアタリの遠いときには、とにかくエサを動かすことが肝心でっせ。

イシゴカイ

エサは安価なアオイソメやイシゴカイでも充分でっけども、より型を狙うなら臭い系のマムシが有利だといえまんな。ちなみに、竿釣りにおける実績エサである水ゴカイは軟らかいために遠投が不可でっから、投げ釣りではイマイチ使いにくいと言えまっせ(チョイ投げならばOKですわ)。

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