ワームで狙う!高級魚キジハタ【大伴渓児氏連載記事No.04】 | カンパリプラス

掲載日: 2012/07/30

ワームで狙う!高級魚キジハタ【大伴渓児氏連載記事No.04】

灼熱の夏来たり! 水温もグググッと急上昇です。 それに伴い、沖をうろついてた魚もゴイゴイッと急接近! その中でも釣って楽しく、食べて美味いのが「キジハタ」と呼ばれるこの魚。 地方名「アコウ」とか「アカミズ」、また「ワカミズ」といった呼称でも知られています。 英語では「Red spotted grouper(レッドスポッテッドグルーパー)」だったかな? ハタ系の仲間で、呼び名などから察する通り、赤褐色に細かい斑点のあるロックフィッシュであります。 我々アングラーには馴染みの深い魚種ですが幻の魚とも呼ばれ、高級魚に超が付く程に珍重される白身魚だったりもします。

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どちらかと言えば温水系の魚ではありますが、ハタ科の中では比較的、冷水に耐性があり、性転換を迎える前の30センチ以下の雌は、真冬の極寒期を除けばショアターゲットともなりますが、雄へと転換したそれ以上のサイズを狙うには水温が18度を超え、スポーニングの為に接岸し、ベイトへのチェイスも激しく高活性となる水温25度を超えるこのシーズンからがショアのターゲットとしてベストなタイミングとなります。 捕食体制にいる個体は、主に根周りに着き、テリトリーを持ちながらもガシラの様に巣穴に入っているのではなく、岩礁や藻上にステイし、ベイトを待っています。 また窪みや藻中の個体は満腹であったり、休息中と考え、ルアーフィシングの対象外と考えた方が無難でしょう。   まぁ、これらの奴らはシャローであってもアングラーからはブラインドのブラインドですけどね(笑) 捕食スイッチの入っている個体はメタルジグ、プラグからスピナベ、ワーム、ラバジなど様々なルアーに反応してくれるので純粋なルアーフィッシングを楽しませてくれますが、いかんせんショアの釣りとなると、岩礁や沈みテトラなど起伏の激しいポイントをトレースする、つまりは横引きするスタイルが常となります。    当然、根掛かりや根ズレによるロストも多発しますのでビギナーや慣れない内はローコストなワーミングをお勧めとなりますね。 しかし、たかがワームと侮るなかれ! 魚本位なアタック即ヒットのトリプルまたアシストフックなどとは違い、前アタリを感じたりとか、送り込んで食わせるとか言った、シングルフックを使ったアングラー本位の釣りを展開出来、ヤリ込んでみるとなかなかどうして、奥の深いスタイルで、考えながら楽しめるのもワーミングならではだと思って頂きたい。 さてワーム程、多種多様なルアーもないが、一つづつ解説するとトンでもない事になるので、実績のあるお勧めを少し。

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まずバグ及びクロー系。 簡単に言えばハサミを持ったエビ。 そう!ザリガニっぽいワームです。 各社それぞれに工夫があり、ボディシェイプ、またリブや節足、カーリーにエアーイン等々。 他にカーリーテールやバイブラテールなど、いずれにしてもストレートにリトリーブしてもアクションするテール状の形状のモノが使いやすいでしょう。   ジャークベイト系のワームの持つダートアクションも強くアピールしてくれ、キジハタには非常に効果的なワームと言えますが、ロッド操作も細かくなりますので、どちらかと言えばベテランさん向きと言えます。 さて、これらを使うリグですが、リグるのが簡単なジグヘッドリグも良いですが、フックポイント剥き出しは、ハードなストラクチャーへのコンタクトが増えますので、遊動式のテキサスやキャロライナ等のリグに分があるでしょう。   またこれらのリグはワームの動きも柔らかでナチュラル感があり、よりベイトライクなアクションを演出しますので、中層を探るスタイルとしては向いていると考えられます。 「中層を探るスタイル」。 前述した様にステイしながら上方から落ちてくるルアーを見てはいますが、ガシラの様にフォールで食ってくる事は少なく、リフトアップまたはスイミング中にカウンターでアタックするシチュエーションが圧倒的であり、この事からボトムバンプするよりボトムに近い中層で食わせるパターンを意識して頂きたい。 またテリトリーを持つと前述しましたが、通常は平面的に直径数メートルですが、水深のあるポイントでは上方向へのチェイス距離はやや長く、ボトムから水深の1/4~1/3程度までチェイスしてくる事も少なくありません。   水深のあるポイントでは足元直下までキッチリ探り、ピックアップ寸前まで気を抜かない様に。 ショアからのキャスティングでは1/4~1オンスといったシンカーが扱い易いでしょう。 専用のロッドでやるのも面白いですが、手持ちのロッド、バスロッドやエギングロッドなどを流用し、それにみあったシンカーウエイトをセレクトしましょう。   キャストからまずボトムをとり、あとはボトムを擦らない様に、ややスローでストレートにリトリーブ、またはしゃくりあげ(ポンピング)しながら一定層をトレースする様に意識したリーリングリトリーブ。 大概はカウンターで食い付く様にアタックしてきますが、大物程、口がデカくなりますのでバケットマウスよろしく吸い込みっぽいアタリ、つまりは小さいアタリとなってルアー、ライン、ロッドを伝わり手元へ感じます。   かじるアタリは少なく、飲み込むアタリを中層でみせる訳ですから、手元へ変化を感じたなら片っ端から合わせましょう! 40センチクラスになるとロッドを絞り込み、コンディションやタックルによってはドラグさえも鳴かせラインを引っ張り出します。   私的にはヘビータックルでゴリゴリと強引なスタイルで確実に捕るよりも、ロッドやラインなど自分自身でギリギリと感じるライトタックルでゲーム性を感じる釣りを展開する方が魚にも更に自分にもハンデを与え、対等に遊べると考えています。   イカなどの年魚と違い、ロックフィッシュは成長に恐ろしく時間の掛かる魚種。 我々は釣りを楽しむ釣り人であって、魚で生計をたてる漁師ではないと言う事。 つまりはガツガツしないで、心に優しさ、気持ちに余裕を持って魚と遊びたいと考えています。 ビギナーはガンガン行って下さい。   ただ、ベテランはアングラーとして心の大きさを持って欲しいって話です。 ん?話がそれましたね(笑) さぁ、これから日本海但馬や丹後は超高級魚で、釣ってもギュンギュンのファイター「キジハタ」のベストシーズン!   夏よりも熱く、このシーズンをロックフィッシュと遊びましょう!(^-^)v

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