烏賊は色を識別する【大伴渓児氏連載記事No.02】 | カンパリプラス

掲載日: 2012/05/23

烏賊は色を識別する【大伴渓児氏連載記事No.02】

エキング大好きなアングラーには待望のシーズンin! 山陰〜若狭は好調で、日本海但馬丹後エリアも例外なく釣れています。 開幕から3キロ前後の良型も多数キャッチされ、今年のポテンシャルの高さが伺われるところ。 デカイの釣りたいよなぁ! ベテランはさておいて、ビギナーやこれから始めようと思ってる方たちはエギ選びに迷うと耳にします。 多数のメーカーがあり、サイズも様々、色などは毎年新色も増え何百種類と言っても過言では無く、新たに選ぶのは結構難しいもの。   そこで今回はエギの色、【カラー】についてお話をさせて頂きます。 但し、自然相手の遊びにぶっちゃけ正解はありません。 様々な説はありますが、私の経験からの持論としてお聞き頂き、その中から皆さんの答えとなるものを導きだして頂く為の参考なればと思います。   烏賊の眼は人間のそれとは違って、波長を色 として認識しない、いわゆモノクロな世界を観ている色盲であると言われています。 そこで直ぐに思い浮かぶのは、白黒の濃淡明暗だけで観ているのなら色は関係無い、極端な話、白黒に灰色だけでも良いじゃないか。 これも一説です。   では何故、エギには選択に迷う程の色があり、がまた各メーカー、開発に携わるスタッフなどがカラーリングに頭を悩ませているのでしょう。   【烏賊は色を識別する】 コレが私の持論です。   付け加えるとすれば人間界の言葉である【色】を烏賊界?では何と言うのか知りませんが、波長の違いを濃淡や明暗以外でも何らかの感覚で捉えていると思っています。 余談ですが、烏賊の血液は赤くない。 これも波長の識別に関係するらしいのですが学者じゃないんで因果関係はわかりません。 人間は太陽等の光源からのスペクトルを物質が持つ本来の色がその波長を反射し、色として認識します。 しかし、それが固定概念となっているだけであり、実際には人間も色として認識出来ない波長があり、赤外線や紫外線などがそれに当たるのは皆さんもご存知ですよね。 烏賊も同様で!波長を色として認識する人間の様な眼の機関が無いだけであって波長は波長として感じ、識別しているのだと感じています。

と、前置きが長くなりすぎました。 まっ、色で釣果が左右される事もあるんだって事を頭に置いておいて頂けば良いかと(笑)   私のカラーセレクト戦略の基本は2つです。 それは【ナチュラルとインパクト】   大概のカラーはどちらかに属するのです。 従って迷った時にはこの二種類をセレクトすれば大丈夫!   ナチュラルの解釈はベイトライクであったり、擬態とも言えるカモフラージュなカラー。 釣行しようとするエリアのベイトはアジなのか?イワシなのか?はたまたキビナゴ、グレ、イサキ、エビなのか? また砂泥にアマモ?岩礁にホンダワラ? 各種のシチュエーションに合わせるセレクトは渋い状況下においてそのポテンシャルを発揮してくれる事も多い。 一般にアピール力の強いチャートリュースなどはインパクトの強いカラーと思われがちであるが、シャローエリアでは緑藻類のカラーを鱗のグアニン色素が反射しているカラーに似ている為、カモフラージュを兼ねたナチュラルカラーであると解釈したりもしています。

※ナチュラルカラーのエギ

反対にインパクトカラーとしては、エギングやってる方なら誰もが持っているピンクやオレンジなどを選んで頂けば間違いはなく、実績もあります。 海の色はプランクトンの種類や量などで青や緑に見えたりもしますが、中学校くらいに習う色相環を思い出して頂けばお分かり頂けると思うのですが、相対する補色、つまり海の青や緑に対峙する色がピンクやオレンジだったりします。 従って人間からの視認性も良く、シャローエリアなとではストラクチャーへの根掛かり回避やエギの動きを見たり、烏賊のチェイスに合わせたりする事が容易になります。 また先に述べた様に海の波長とエギの波長は相対するものですから、波長レベルで烏賊へのアピールもインパクトのあるカラーであると考えられます。 さらにブラインドの釣りとなるディープエリアでこれらのカラーは、水深が深くなるにつれ赤から順に色が消える(識別が出来なくなる)色の消失現象において比較的に早く消えるカラーでありますが、その際には色が消える事で黒くなり、太陽等の光源からシルエットとなり、光量の少ない水中下において、インパクトの観点からは色よりも強いアピールになると言えます。

私のスタイルとしてエギは目立たせてナンボの世界。 派手めのカラーで活性の高い烏賊を効率よく狙いたいものですが、昨今のエギング熱は半端なく、何処に行ってもアングラーの銀座であります。 烏賊も随分とエギを見慣れてしまっているでしょう。   この状態がスレたとか活性が低いと言う状態なのですが、こんな時にナチュラルでベイトライクなカラーが威力を発揮というか、餌として捕食している色に近い訳ですから違和感少なくバイトして来るでしょう。 アングラーが多く、烏賊も飽きている状態ならばナチュラルなカラー反対に目立つカラーとも言えるのです。 ルアーの世界ではよく「マッチ・ザ・ベイト」と言いますが、カラーや主にサイズを意味します。 しかしエギングにおいては常に目立たせる事を意識して頂いた方が良いでしょう。

ナチュラルとインパクト。   どちらもアピールの強いカラーながらシチュエーションに寄ってはどちらかが弱いカラーと成り得ます。 更に上地の色に合わせてこれまた多いのが下地のカラー。 私としては難しく考えず、光量の多いデイライト、月夜、街灯下、シャローエリアなど明るいシチュエーションでは光を有効に反射させるフラッシング効果に期待してゴールドの下地、また反対に光量の少ない雨天曇天、新月回りやディープエリアで、フラッシングよりもシルエットを強調するレッドの下地を使用する事が多いです。   別段こだわってはいませんが、バリエーションとしてマープルやパープルなどもローテーションに組み込んだりもしています。 対する相手は大自然。 少しの変化が全く反対の状態を生み出す事も多いです。 同じカラーをぶっ通し使うのも面白いでしょう。 反対にローテーションしまくって当たりカラーを導きだすのも楽しいです。   まっ、今回は購入の際に迷うのであればナチュラルとインパクトの二種類を一応の目安として頂けば間違い無いかと思います。   日本海の春烏賊もいよいよ中盤戦。 ライフベストなど安全対策に気を付け、自然の恵みを与えてくれる綺麗な海に感謝しつつバッチリ楽しみましょう!

フィッシングショー2021